大人のEach Love


本降りになった雨に、私が着ていた制服はびしょ濡れになっていた。
乾いている場所など、どこにも残らぬ程に。

再度、歩行者信号が青色を灯すのを目にした私は、ゆっくりと一歩を踏み出した。

車のライトに照らされて、雨に打ち付けられている水溜まりが、小さな雫を跳ね上げている。

上がっては落ち、上がっては落ちをするそれを、
歩きながら目にしてると、自分がこうやって自問自答したりだとかをしている事が、馬鹿らしく思えてしまう。

小さな滴が大きな物に落ち、弾け飛びながら滴を細かくして、そして今度は大きな物に溶け込むように消えていく。

その様を見ていると、きっと私という人間は、
その小さな雫よりも小さいんだろうなと思った。

大きな物に溶け込む事も出来ないままの、まるで水蒸気と化した見えない何かみたいに…。


ぼんやりしながら横断歩道を渡りきると、小さく短いクラクションの音が聞こえ、目を細めてしまうほどのヘッドライトの光に包まれた。


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