謝罪のプライド
7.情熱的なトモ彼

 なんとなくギクシャクしたまま、数日がすぎる。
ギクシャクしてると言っても、多分そう感じているのは私だけなのだろう。

浩生はいつもと変わらない。変わらないことに私が苛立っているだけ。そして苛立っていることにも気づいてもらえないだけ。


 今日は水曜日だ。今月三度目の【U TA GE】訪問に、恥ずかしさが込みあげてくるのは否めない。

「いらっしゃ……いませ」

ほら、流石の数家くんも呆気にとられてるよ。
私はぎこちなく笑って手を振った。

「こんにちは」

「気に入ってくれたんですね。嬉しいです」

流石爽やか店員。ナイスコメントに落ち着いたな。スマイルが爽やかすぎて眩しいくらいだ。

「待ち合わせしてるの。あと二人来るんだけど」

「じゃあ広めの席で。こちらへどうぞ」

通されたのは前回より少し大きめの六人がけの席だ。

「ごめんね。外で待ってても良かったんだけど席取れなくても嫌だなって思って」

「いえいえ。ごゆっくりなさってください。平日とはいえ九時までは混むので正解ですよ。飲み物はお連れ様が来てから?」

「すぐ来ると思うからお茶だけ頂いておく。お酒は連れが来てからで」

「かしこまりました」

柔らかく微笑んで、数家くんは去っていく。

癒し系だな。
何言ってもとりあえず笑ってくれるからほっとするというか、気楽ではあるなぁ。

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