
- 作品番号
- 1018537
- 最終更新
- 2015/02/02
- 総文字数
- 116,176
- ページ数
- 218ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 1,002,550
- いいね数
- 5
- ランクイン履歴
-
総合35位(2014/07/17)
恋愛(長編)35位(2014/07/17)
謝る人間と謝らない人間とに分けられる。
努力家の意地っ張り女・新沼初音
×
社内でも有名な謝らない男・九坂浩生
×
苦情を呼びこむ女・坂巻美乃里
そしてもう一人、
そつなく謝るイケメン店員・数家光流が現れた。
さあ、恋はどっちに転がる?
2014/03/26~2014/07/09
完結しました!
文庫大賞、応援ありがとうございました!
この作品のレビュー
トラブルが起きた時に、すみませんの言葉を出す人は多いはず。それは初音も同じで、仕事柄多用する言葉のひとつなのだろう。この物語には、謝罪についてのそれぞれの考え方が根本にある。つまりそれが題名、謝罪のプライドだ。
けれどそんなプライドをもって生きている人、働いている人はどれくらいだろう?なんとなく、で過ごしている人も少なくないはず。けれどその人たちにも感情はある。些細なことで傷つくことも励まされることも、感動することも。それを表側に出す手段はいくつかあるけれど、言葉にすることは有効な手段のひとつだと思う。感情のこもった言葉は、それだけですごい威力を持つ。
この物語の主軸は謝罪だけれど、それにまつわる様々な感情によって描かれる人間模様、恋模様が深く胸に突き刺さる。悩み、惑い、切なく揺れる女心は自分に経験があろうが無かろうが、共感できる。それでも変えられない恋心がここにあると感じられる物語です。
テーマがハッキリしている上に、ラストまで軸がぶれないので読み応え抜群です。
日本人の感覚からいけば浩生の対応は問題が生じて生きにくそうだけど、それは確固たる自信の裏づけであり、芯が通っている証拠。
けれど、なかなかそれに気付けずに、ただただ彼に近付きたいと思うあまり自分と正反対の後輩の登場で一気にその心が読めなくなる。
不安が渦巻いている時ほど真逆の優しさに触れると揺れてしまう。
愛していても、たったひとつのきっかけでぐらつく自信。
そんな人間臭さにも好感が持てましたし、結婚というワードがちらつく年齢、同年代の私は感情移入が必須でした。
浩生の甘えは初音ゆえ。
だけど初音はその行動に不信感を抱く。
言葉が全てだとは思わないけど、時には素直に想いを伝えることも大切だと教えてもらった気がします。
心理・情景描写が的確で、毎度のことながら作者様の力量に感服です。
誰よりも仕事に一生懸命な初音。
こっそり社内恋愛している浩生は、
プライド高くて謝らない男。
自分は悪くないと思っているから
決して謝らない。
だけど、謝ってほしい時もある。
言葉に出してくれないもどかしさ。
思い悩む初音の前に現れたのは、
高校時代の同級生である数家。
見違えるほどイケメンになった彼は
プライドがあるから謝る男。
浩生とは正反対の数家との間で、
揺れる初音の心情が細やかで
一緒になって揺り動かされます。
女を武器に浩生を狙う後輩の
美乃里の動向にもハラハラしたり、
物語にぐいぐい引き込まれました。
謝らないか謝るか、
上辺ではなく内面を知った時の
満足感はもう、胸が熱くなります。
これが彼のプライドか…と。
番外編で知ることのできる
浩生の本音もオススメです。
是非、読んでください。
この作品の感想ノート
★レビューお礼です
☆川瀬 里桜さん
あああ、里桜さん。
読んでくれたんですね。嬉しいです。すごいびっくりした(笑)
そうなんです。「謝罪」っていうポイントに絞って人間観察すると、
もう口癖のように「すみません」が出る人と、こだわりを持って謝れない人、色々いるなぁって思って書いた物語です。
浩生みたいなタイプは、きっといたら面倒くさいですけど、彼の言葉は嘘がないので本書はん聞かされた時はたまらないだろうなぁとか(笑)
いつもながら、本編内容をしっかりとらえてくれる素敵なレビュー、ありがとうございました(^^)
★お返事です
☆月森ゆらさん
おほほ。べリカさんはレビューとか感想いただくと作家メニューに通知が来るので、直ぐ気づけるのですよ。
こちらこそご無沙汰してます。
何気ついったーで発見したんですが、生きてなさそうだった(笑)
浩生、今まで書いたこと無いタイプを書いてみたくて。
狙いは俺様だったんですけど、何故か面倒くさい男になりました。
昭和の亭主関白のイメージですね。
自分の夫だったら嫌です(笑)
ゆらさん、雲隠れしちゃうのですかー。
お忙しそうですね。でも待ちます。
執筆の方もいつかを楽しみにお待ちしてますね。
久しぶりにお話出来て嬉しかったです。
ありがとうございました!
★レビューお礼です
☆月森ゆらさん
わあん、ゆらさん。
素敵なレビューをありがとうございます。
謝罪に対する両極端な価値観を書きたかったこの話。
共感してもらえて嬉しいです。
私も謝罪に関しては数家の方に一票かな(笑)
浩生は予想以上に面倒くさい男になってしまって参りました。
普段書かない俺様を書く予定だったのに(笑)
レビュー、とても嬉しかったです。
読んで下さりありがとうございました。
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