深海魚Lover
「……
 俺の場合は遠慮して
 言いたいことの半分も死んだ
 親父には言えなかったよ

 なんせ相手がダメ親父だったから
 俺は更に輪をかけてしっかり者に
 なっちまったってわけで
 
 今思うと遠慮なんかせずにぶつかって
 もっと素直になればよかったと思うけど
 性分だから仕方ねえか」

「ケイジさん……」

「でもまあ、なんだぁ
 上だからってわけでもなく
 下の立場だってきっと
 嫌なこといっぱいあるんじゃねえの?

 それに、弟とか妹とかのおかげで
 助かってる部分もあるし、ほらっ
 苦手な親の前でもふと砕けた話の
 ひとつでもできてる時ってあるじゃん
 
 楽しいひと時っつうの」

「そうですね」

「だろっ?

 俺はアイツらとは血は繋がってないけど
 アイツらが一緒に居てくれて助かったこと
 山の様にある」
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