深海魚Lover
飲めない酒に手を付ける出雲。

その手に重ねた女の手。

「嫌なわけないじゃない
 大概の女はこっちの方が好きよ

 戦う男の重い鎧を脱がせて
 傷を癒して守ってあげられたら
 女冥利につきるわ

 鋭い爪を隠してる
 今の貴方の方が私は好きよ

 ねえ、そろそろ出ましょう」

掴まれた腕、女の手を解き席を立つ出雲。

「悪い、癒されるのは
 この次にするわ」

「どうして、せっかく再会できたのに」

「再会ねぇ?大袈裟だな」

「そうじゃないわ
 例え居場所を知っていたとしても
 必ず会えるとは限らない

 あの店に貴方が行く日に
 私は居ないかも
  
 永遠に会えないかも…」


永遠に……


席を立ち、出雲の腕に触れる手。

「車を運転しながらふと見つめた先に
 貴方に似た後姿を見つけた」

たった一度抱かれただけの男の背中。

その背がなぜだか愛しくて……
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