深海魚Lover
「いえっ!仕事中にご迷惑じゃ」

「いいのよ

 もしもし、アンタ
 
 ちょっとケイジ先生の、そう
 メイコちゃん
 
 用事ができたから……
 小橋さんのクリーニング店の前
 よろしく

 メイコちゃん

 さあ、行きましょう」

歩道にオートバイを停めたまま歩き出す雛田さんに私はついて行く。

「雛田さん、すみません」

「謝ること無いのよ
 こういう事、昔はよくあったのよ
 
 どちらかと言うとうちのおばあちゃんを
 ケイジ先生やイズモ君が献身的に
 守ってくれてたわけだけど……

 後をつけてたって、まさか
 また、ヤクザもんじゃないでしょうね」

「またって?」

「ああ、昔はね
 ここのところは静かなもんよ
 
 ここら辺りを牛耳ってた井原組が
 モトさん、ケイジ先生のお父さんの
 代でなくなって、それからは加瀬組
 がこの街を取り仕切ることになった
 そこより先は死んだように静かだよ」
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