深海魚Lover
「出雲なら今朝帰ったところだから
 今日は来ないよ」

「えっ、そう言う訳では……と言いますか
 そのぅ、あの方の気迫にはこの私も
 たじたじで、ひどく緊張してしまいます」

「だろうな、アイツの目は笑わないからな」

「ですよねぇ、いつお会いしても
 その掴めなくて……

 それに多分、ああいう方には
 この私のようにビクビクした人間
 嫌われてしまうのだと思います」

「それは違うな

 出雲はむやみやたらに人を嫌ったり
 見下したりすることはしない
 見かけによらず、人一倍優しい奴だ

 アイツの方こそ、君とどう接すれば
 いいのか正直迷ってると思うけど

 でもまあ、相手はバリバリのヤクザもんだ
 怖くねえって方が有り得ないか?」

「いえっ、そんなことは……」

「心配しなさんな
 
 堅気の貴方には手出ししないよ」

京次は、ジビレる視線で下山を見つめたかと思えば、今度は微笑んでみせる。
< 225 / 410 >

この作品をシェア

pagetop