深海魚Lover
「跡目に四奈川を持ち上げる
 峰の叔父貴に楼

 そして、緒澤組

 全く、ややこしいことに
 なってきたぜ

 ところで井原の息子
 キョウのことだが、ヤツは
 ヤクザに戻る気はあるのか?」

吸殻を灰皿に押しつける、垣村。

「たぶん、それはないっすよ」

「そうか、残念だな
 カシラの傍にヤツが居てくれれば
 何かと安心なんだがな

 井原の息子だけあってヤツは
 直属のもんに忠実で情に熱い男だ

 けども、まあ無理な話だよな
 極道から足洗って家族三人
 病気の嫁さんと静かに過ごしていた
 そんな矢先にあんな事件が起きちゃ

 俺達が見誤ったばかりに……
 
 キョウの奴には一生頭が上がらねえよ」

「カキムラの兄貴

 深刻な顔をして
 いったい何の話ですか?」

何の気配もないままに背後に立つ、出雲の姿に驚く二人。

「イッ、イズモのアニキ!
 いつからそこに」

「今だよ」
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