深海魚Lover
「ああ、そうっすか」

ホッと一息つく充に鋭い視線を向ける出雲。

「何だよ?」

「いえっ……」

「ちょっとした昔話だよな

 なあ、ミツル?」

「はい」

「昔を懐かしむだなんて
 あなたらしくありませんね」

「そうだな、これも年のせいだな」

「ところで、話は終わりましたか?」

「ああ、いやっせっかくカシラが
 出向いて来てくださってるんだ
 
 この機会に、執行部の連中を集めて
 シナガワの件をもっと詳しくお話して
 おいた方が」

「悪いがその話なら右田の兄貴を通して
 連絡してほしい」

「しかし…」

「ほらっ、ツル何してる
 そろそろ行くぞ」

「はい」

「カシラ、これからどちらに?」

「女に用があってね」

「女って、アニキ何もこんな時に」

「どんな時だよ?」

「えっ、それは!」

「約束してるんだ、ほらっ行くぞ
 
 そうだ、車一台借りるぜ」
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