深海魚Lover
それもそのはず

だって、いつも愛想なく逃げる私からはとても考えられない行動。

「はい!
 ありがとうございます
 がんばります」

そう言ってにっこりと微笑んだ彼女の表情は、私が知るいつも通りの穏やかで人懐っこい感じ。

彼女は後ろを振り返り丁寧に私に会釈して会社を出て行った。

誰かの声掛けにホッとする気持ち、今の私ならわかる。

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「スガ先生、昨日はどうも
 
 お足元の悪い中、こちらまで
 わざわざお呼びだてしてしまって」

「いえっ、私が以前
 そうしてほしいとお願いしたので」

そう、なるべく自分のテリトリーに人を入れたくなかった嘗ての私……

「あれっ、雨、止みましたか?」

会議室に現れた下山さんは窓の外を見つめる。

「ほんとうですね」

京次さん、洗濯物ちゃんと干してくれるかなぁ。

「このまま晴れてくれるといいですね

 ところで早速ですが仕事の話を
 まずは……

 では、今回の表紙はこのお洋服を
 モチーフに少女の絵を描いて頂けますか?」
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