深海魚Lover
お辞儀をして、とりあえず慌ててその場を去ろうとした私に話しかける彼女。

「あの、ケイジ先生の生徒さんですか?
 お教室ならまだ……」

「メイコちゃん?帰ってたの
 
 あら、先程の
 何、お知り合いだったの?」

雛田さんは、私達二人に問いかける。

「いえっ……」

風に揺れる洗濯物が視界に入った雛田さん。

「そうそう、その洗濯物だけど
 ケイジ先生が干すところ
 久しぶりに見たわよ」

女物の下着が風に揺らめくのを彼女に見られると大変!

「ヒナダさん
 今日はもうお帰りなんですか?」

「ええ、今ね、旦那から連絡があって
 急用ができたのよ」

「そうなんですか」

話を逸らしたものの、きっと遅い。

彼女の視線が私に突き刺さる。

『キスしてしまった』ということは、彼女は京次さんに好意を持ってる人なわけで。

「じゃあ、私はこれで……」

「あのぅ、少しだけ
 お話を伺ってもいいですか?」

「えっ、私!?」

「はい、先生とあなたはその……」
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