深海魚Lover
「昨夜、口止めをしたところで
 無駄だろうとは思ったが
 やはり襲名式の件はいとも簡単に
 峰のオジキの知るところとなった」

「昨夜、そんな話が?」

「ああ、親分のお達しでな」

『連絡が無いってことは
 内々に事を進めたい何か……』

それは、出雲の加瀬組二代目組長・襲名式----

「オジキにこちらの計画を知られて
 しまった以上、潰しに来るのは
 分かっていたことだが

 楼はもちろん四奈川を使って
 カシラを探し出し
 組長の座に一番近いカシラを
 是が非でも引き摺り下ろして
 組を奪いに来るはず

 カシラの命が心配だ」

「アニキの命……」

「ああ、オヤジの命だって
 今はどうなるか

 何もこんな時に、くそっ!」

垣村の言葉がうまく理解できない様子の充に右田は言う。

「今朝、気づくと親分の体調がすこぶる
 悪くなっていて、急ぎ主治医に見せた
 ところもしかしたらもしかすると……」

「それって、本当のことなんすか?」

「このバカが、こんな時に嘘を
 言ってどうする
 
 部屋、見てくれば分かる事だ」
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