深海魚Lover
「また何か分かれば連絡するが
 くれぐれも用心するように若頭には
 伝えておいた方が良さそうだな」

「伝えろと言われましても
 何をどう?
 
 どこまで話していいものか」

「隠していても
 いずれは分かることだろう」

正直に全てを話してもいいものか迷いながら辿り着いた先は、京次の家----

正午になろうとしているこの時間、京次は居るだろうか?

車のキーを手に引き戸の前に立つ充は、両手で両頬をポンポンと叩き気合を入れた。

その姿を後方から見つめる視線がひとつ、ふたつ……

深呼吸をした充が引き戸に触れようとしたその時----

「ツル、さっきから何してる?」

「アッ、アニキッ!
 ど、どうしてここに?」

「居ちゃ悪いか?

 ここは俺の家だ」

「いえっ、この時間、アニキ
 もう仕事に行かれたと思ってましたよ
 
 びっくりしたなぁ~もう」

「今日は休みだ

 それより、車、もういいのか?」

「はい

 ありがとうございました」

充から車のキーを受け取った京次は家の戸を開ける。

「そうか、まあいい
 中に入れよ」

「いえっ、急いでますんで……」
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