深海魚Lover
フロント常務の女性がいち早く異変に気づき、非常通報ボタンを押そうとしたその時、女性に向けられる拳銃。

「動くな!大声出すんもナシやで

 アンタさん等もお客人の手前
 面倒は御免やろ

 普通通りに営業しとってや

 用が済んだらサッサと帰るさかい

 おいっ、そこのアンタ
 一緒に来てや」

そう言って掃除婦を連れて先頭を歩くのは黒須。

怯える女性に優しく声をかける。

「言う通りにしとったら君には
 何もせえへん

 俺らは人を探してるだけや」

黒須の後を歩く子分は、振り返り男数人に言う。

「君らは、ここで見張っとって」

「はい」

エレベーターに乗る黒須に問いかける子分。

「アニキ、オザワの親分さんは
 なんでヤツを殺したらあかん
 言うてますの?

 前も、そう言うてましたん?
 (前もそう言っていたのか)」

「いや……」

以前は自らが動き、出雲を仕留める為に指揮を執っていた。

こんなにもおいしい状況を見逃すわけもなく……

「命取る言うんやったら 
 ここで遣ってもたらええのに
 
 はよ終わらせて
 アニキを開放してほしいわ」
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