深海魚Lover
つかつかと黒須の元へ歩み寄る、緒澤組組長・横田。

ひょろっと痩せ形で、こけた頬が特徴的。

「クロス、お前って奴は

 また遣っちまったのか?」

困惑した表情を見せたかと思えば小生意気な顔をして見せる、そんな充の顎元に触れた横田の指先。

逸らそうとした充の顔をクイッと上げさせる。

見つめ合う視線……その目元、本当によく似ている。

「すみません、親父

 若頭の姿はどこにもなく……」

「何だ、そんなに奴を殺したくないのか?」

「いえっ!

 あの時はただ目の前の男が
 奴(出雲)ではないと知ったまでで」

「まあ、いい

 確かに奴(京次)は殺すには
 惜しい男だったな

 お前が止めに入ったおかげで
 遣らずに済んでよかったがな」

「何言ってる!

 遣ったじゃないか、ジュンさんを……」

充が発した悲痛の叫びに表情を曇らせる横田。

「ああ、じゅんとは確か
 奴の身代わりとなった女性

 彼女には本当に済まない事をしたと
 この私も思っている」

「何がすまないだ、どの口がほざく」

横田の事を睨み付ける、充の視線。

その視線は組長を怒らすに違いない。
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