深海魚Lover
兄弟分の声に横田は構えていた銃を下ろした。
目の前に立つ男は三年前、兄であり友である京次を傷つけ、大切な妹・絢を殺した憎き男のはずなのに鏡を見ているようで……
殴ることはもちろん、一歩も動けない。
鏡に映る自分の姿を見ている----
言葉が見つからない出雲は息を飲む。
他人の空似にしてはあまりにも似すぎていて怖いぐらいの域に達する。
『出雲
出雲は何処だ』
名を呼ぶその声は親父の声……気分が悪い。
顔が青褪めて行く出雲はひどく困惑している。
「どういうことだ?」
「見たままだ
どうだ、気分が悪いだろう?
この俺だってブタ箱で聞かされて
吐いた口」
「うるせえ
うっ……」
出雲のみぞおちにすかさず右ストレートをお見舞いするのは、横田。
「うるさいのはお前だよ
連れてけ」
倒れる出雲の体を支えた横田は、組員に出雲を任せ乗車させる。
「親父
これはいったいどういうことですか?」
黒須も全く意味が分からない様子。
「クロス、やっと手に入ったぞ」
目の前に立つ男は三年前、兄であり友である京次を傷つけ、大切な妹・絢を殺した憎き男のはずなのに鏡を見ているようで……
殴ることはもちろん、一歩も動けない。
鏡に映る自分の姿を見ている----
言葉が見つからない出雲は息を飲む。
他人の空似にしてはあまりにも似すぎていて怖いぐらいの域に達する。
『出雲
出雲は何処だ』
名を呼ぶその声は親父の声……気分が悪い。
顔が青褪めて行く出雲はひどく困惑している。
「どういうことだ?」
「見たままだ
どうだ、気分が悪いだろう?
この俺だってブタ箱で聞かされて
吐いた口」
「うるせえ
うっ……」
出雲のみぞおちにすかさず右ストレートをお見舞いするのは、横田。
「うるさいのはお前だよ
連れてけ」
倒れる出雲の体を支えた横田は、組員に出雲を任せ乗車させる。
「親父
これはいったいどういうことですか?」
黒須も全く意味が分からない様子。
「クロス、やっと手に入ったぞ」