深海魚Lover
「アンタでも死ぬんだな……

 なあ、死ぬのは勝手だが俺に
 言わなきゃいけねえことが
 あるんじゃねえのか

 じゅんのことだって勝手に横田の
 奴を許しやがって、そんな話
 聞いてねえぞ」

「……」


大声で話しても目覚めることのない瞳

きつく問いただしても、何も話さない唇

出雲の瞳に映るのは、ずっと同じまま全く動くことのない父親の変わり果てた姿。

傍にある機械(モニター)だけが、彼が生きていることを知らせる。


「なあ、親父

 言えよ、ほらっ!
 自分の口で言ってみせろよ」


自分の子供ではないと、真実を----


「ミツル、若頭を外へ連れてけ」

「兄弟、止せっ!」


横たわる父親の体にそっと傷ついた手で触れる出雲。

二人の距離は近づく----


「なあ、親父

 アンタは俺のことどう……」


力無きその声は、とても寂しい----


ずっと聞きたかった言葉

ずっと聞けなかった言葉


父親に掛けられた布団をギュッと強く握りしめ、前へとしな垂れる出雲。


アンタは俺のことをどう思っていた?
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