深海魚Lover
「そうだな、あの現場に居合わせたお前に
 頼むのは酷すぎるな、俺もしつこい男だな
 
 悪かった、この話は終わりだ

 ほらっ、ぼうっとしていないで
 若頭の後を追え
 できるやつ数人連れてけ

 何か変わった行動、おかしな出来事が
 あれば逐一連絡しろよ」

「はい」


走り、出雲の後を追う充の背中を見つめる垣村。


「どうにか、キョウの方から組に戻ると
 言わせられないものか……」


新しい時代が、今にも走り出そうとしている----

必ず、その時は来て、事は起こる。


その時を待ち、うずうずしているであろう男達の顔が垣村の脳裏に浮かぶ。


----ここは、日曜日の京次宅。

居間からひょこっと何度と顔を出し玄関先を見つめる眼差し、外からの来訪者はない。


「ジュンジ、飯だぞ」

「いらない、ぼく、たべたくない」


ここのところ、めっきり元気のない潤司。


「出雲か?

 出雲ならもうじき来るさ」

「ほんとう、キョンさん!
 
 アニキ、くるの?
 
 いつくるの、ねえ?」


目を輝かせては京次の足元にまとわりつく、潤司。

京次はその場にしゃがみ込み、潤司と視線を合わせて言ってきかせる。
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