深海魚Lover
苦痛に歪む出雲さんの表情。

貴方はテーブルに額がつくほどに深く、私に頭を下げてみせた。


「やめてください、イズモさん
 どうか頭を上げて
 私になんて謝らないでください

 本来なら私が、気づかなきゃいけなかった
 
 言いづらいこと、貴方は意を決して話して
 くれた

 ……嫌な思いをさせてしまって、本当に、
 ごめん、なさい」

「メイ!」


私の瞳から零れ落ちる涙は、両頬を次から次へと流れる。

困った顔をしている貴方に、手の甲で涙を拭ってみせた私は言うの。


「イズモさん、心配しないでください
 
 その件、大丈夫です!

 私にとってもケイジさんは大切な人
 彼を失うわけにはいきません

 ちゃんと理解はできています」


私の行動が京次さんを止められるならば、京次さんの傍に居られない辛さぐらいどうってことない。


「ただ……

 もう少しだけ待ってもらえませんか?
 
 今すぐには別れを言えるか
 自信がありません」


「そんなに長くは待っていられないが
 おまえに任せるよ

 ……
 
 話はそれだけだ、帰るとするわ」


沈黙の中、椅子を引く音が響くと出雲さんは席を立つ。
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