深海魚Lover
「待ってください、イズモさん!

 帰る前にジュン君に
 会ってあげてください

 ジュン君、イズモさんに会えなくて
 毎日元気がなくて
 ご飯も喉を通らなくて

 お願いします」

「ああ、わかった」


体調を崩して眠っている事はわかっているけれど、どうしても潤司君に出雲さんを会わせてあげたい。

出雲さんの顔を見れば風邪なんて吹き飛ぶに違いないもの!

潤司君が眠るお布団の傍に膝をつくと、彼は目を覚ます。


「ジュン君、起きた?」

「ジュン

 具合はどうだ?」


立ったまま、潤司君の様子を見つめる出雲さんの姿に彼は驚く。


「うわっ、アニキッ!
 
 アニキ、アニキ
 
 きてくれたんだね

 アニキ」


潤司君は慌てて起き上がると出雲さんに両手を広げてみせた。


「大丈夫なのか?」


そう言うと出雲さんは軽々と潤司君を抱き上げた。


「まだ熱があるんじゃないか?」

「ぼく、もうだいじょうぶだよ
 ぜんぜんへいき

 アニキ、あそぼう」

「駄目だ

 今日はゆっくり休んでなきゃ
 明日も保育園行けないぞ
 
 いいのか?」

「それはいやだな」
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