深海魚Lover
「ジュンジ

 アイスは、風呂上がってからだぞ」

「えー、いますぐがいいよ

 いますぐたべたい」

「駄目だ

 今すぐ、冷凍庫にしまう」


京次さんの声色が変わると、潤司君はそれ以上我儘を言うことはなく言われたとおりにする。


「はぁ~い」

「ケイジさん
 
 おかえりなさい

 今日、い(出雲さんが)……」


『お嬢ちゃん

 俺が言ってる意味分かるよな』


出雲さんのあの瞳を思い出した私は、京次さんに何も言えなくなる。


「今日は、ほんと急の仕事で
 子守りさせて悪かったな

 アイツ、我儘言わなかったか?」

「はい
 とってもいい子にしてましたよ

 あっ、そうだ

 ジュン君、私が目を離したスキに
 ハサミを使って、左手の人差し指 
 少しだけ切ってしまったんです

 任されていたのに
 ちゃんと見れなくて
 本当にごめんなさい」


私の頭に感じる、愛しい人の手の温もり。


「怪我ぐらいするさ

 手当してくれたんだろう
 ありがとう」

「いえ、いいんです
  
 ……それで、ケイジさん

 あの……」
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