深海魚Lover
翌昼----

目覚めた男は、子供達の姿が無いことに気がつき慌てて部屋を出ると、玄関先の廊下に寝そべって眠る二人の姿を見た。

汚れた靴、どうやら二人は一度出て行って戻って来たらしい。

一瞬、口もとを緩めてみせた男だったが……


「ケイジ!?」


そう、二人の姿はあるが京次の姿が見当たらない!焦る男。


「ケイジッ!!」

「父さん、起きてたの?

 おはよう、ごはんならできてるよ」

「ああ、おっす、サンキュー

 ケイジ、アイツら起こしてやれ」

「うん」


こうして四人と一匹の生活は始まり、一年、三年……


「うえーん、イズモ
 ワラビが死んじゃったよぅ」

「じゅん、泣くなよ
 
 泣いたってどうしようもない」

「イズモ

 そう言わずに今は好きなだけ
 泣かせてやれ

 ジュン

 泣いてお前が居なくて寂しい
 ってこと存分にそいつに教えてやれ

 おいっ、イヌ吉
 おまえは愛されてたんだぞ」


永遠の眠りについた老犬の頭を撫でてあげる大きな手。

その手は今度は……

振り上げられた手にビクッとする出雲と絢。
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