深海魚Lover
人通りのない路地裏で男と話すのは、成長した出雲。

そのなりは、細いシルエットのモード系スーツをかっこよく着こなす。

胸元を肌蹴させ、着崩したシャツから覗く綺麗な鎖骨はとてもセクシー。

唇の端に銜える煙草、吐き出す煙が宙を舞う。

「ぼっちゃま、お迎えにあがりました

 以前、お話致しましたとおりこの度
 無事に貴方の父である加瀬の親分が
 釈放されました

 貴方達はもうここに居る必要はない

 そう、貴方の父を陥れた井原基次
 (イバラモトツグ)の元になど
 もう居る意味はないのです」

「その話だか
 もうしばらく待ってくれないか」

「何を言われます!

 ヤツは、自分の親の兄弟分だった
 加瀬の親父を罠に嵌めた相手だと
 話したではありませんかお忘れですか?」

「会う度に聞かされて忘れられるわけがない」

「そうですよね

 親父が出て来た以上、奴の命は……」

過去の出来事を思い出しながら、悔しさに拳を握りしめる男。
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