深海魚Lover
「その事だけど、俺と妹のじゅんが
 今こうして生きていられるのは
 モトさん……彼のおかげだ

 親の問題はどうであれ、彼は彼なりに
 できる限りの事を俺達にしてくれた

 身寄りのない俺達を預かって飯を食わせ
 学校へも行かせてくれた」

春にはお花見、夏休みにはキャンプにバーベキュー、秋にはお弁当を持って運動会に来てくれて、冬には四人で片っ端からいろんな鍋をつついた。

いろんな楽しいこと、俺と絢に教えてくれた。

本当の親よりも、親らしいことをしてくれた。

「それはすべて奴が仕出かした報いかと
 ……」
 
「ああ、そうかもしれないが

 俺達の面倒を親の敵に任せっきりで
 今まで何の音沙汰もなかったのは
 どこのどいつらだ」

「それを言われましては私は何も言えません」

「俺は別に責めてない

 ただ、彼も今は闘病の身
 医者の話ではもう長くはない

 そんな彼の傍を俺達は離れられない

 実の父を裏切った相手でも、俺達に
 とっては家族……」
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