深海魚Lover
吐き出す、煙。

女はそれを見つめているのか

この俺を見つめているのか……


「また、会える?」

「さあねぇ
 会えるんじゃないか、店で」

「もちろんお店ではだけど
 こうしてたまには会えない?

 二人きりで」

「約束はできない!

 そうだお前
 いつからあの店で働いてる?

 見ない顔だってツレの奴が言ってた」

「最近……」

「そうか

 お前さ、見た目よりも若いんだろう?
 
 背伸びはほどほどにしろ、じゃあな」


先に部屋を出て行く俺にまで届く、着信音。

閉まるドア、女の声は俺には聞こえない。


「……

 ええ、言われた通りに……

 では、今夜」
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