緒方くんとあたし。
12月その4
「笹原さん、明日先生のとこ来るんだろ?」
どきり、とした。
だって、
行くつもりにしていない。
「うーん、、、、、」
「喪中とか気にしてんの?でもさ」
ちらっと見た彼の目はすごく真面目だった。
「先生たち、心配してんのわかんだろ?無理に合わせることねぇけど、元気にはしてるってみせてやれよ。明日クリスマスイブだから、由希子さんすごく張り切ってたぞ」
「、、、、、、」
「じゃあな」
そう言って、緒方くんは人混みの中へ消えていった。
「、、、、、、」
避けてちゃ、何も始まらない。
緒方くんはそう言いたかったのだろうか。