緒方くんとあたし。





「ふふ、あたしになかなか子供が出来なかったから、志乃ちゃんがいてくれるのがうれしかったんだと思う」

由希子さんの顔が翳った。

「そんなことありませんっ!あたしは先生にとったら友達の子供でしかありません。それにちょっと碁ができるというだけですっ。いまは雄太くんが一番のはずです!」

「、、、、、、ふふ。ありがとう、志乃ちゃん、やさしいのね」

「い、いえっ、そんなこと」

顔が赤くなるのがわかる。

「さっ、もう台所の片付けはこれくらいでいいから、志乃ちゃんもお風呂入ってらっしゃい」

「はい、じゃ、お言葉に甘えて」

それに、由希子さんはにっこりと笑って返してくれた。





< 65 / 77 >

この作品をシェア

pagetop