新米教師"L"
「で、ツヤちゃんって?」

「保険医の艶野先生だよ。おめー、話したことねぇか」

エルはその名前を聞いて、ピクリと反応した。

「あ、あぁ、さっき話したわ。美人な人よね。
…ってか、おま…、君今日入学したよね? 一目惚れってやつ?」

「ああ、違うんだよ。カノンはね、中学校の頃から
ツヤちゃんのこと好きで、ツヤちゃんと話したくてこの学校
選んだくらいなんだよ」

カノンの隣にいた黒髪で背の低い、可愛い生徒が説明してくれた。

「うっせ…。てか、教師にあんま余計なこと言うんじゃねーよ。
あ、俺、桜坂 佳暖。カノンって呼ばれてんだ。
で、こっちが埼玉 不破理。通称フワな。こっちが…」

「おい」

カノンたちの後ろにはセイが立っていた。

「何余計なこと喋ってんだ。
連城崎、お前も邪魔だ。どっか行け」

「セイ、俺らは別に…!」

はあ、とエルは溜め息をついた。
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