普通の恋はできません!
「あ……でさ、沙葉ってなんであの女子達に恐れられてんの?」


私は昼休み前の出来事を思い出して聞いてみた



「あぁ、私がやくざの家の娘だってことが、バレてるからね」


そう言った


「え!?教えたの!?」


「いや、中学から一緒。嫌になっちゃうよー!」



そう言って笑う沙葉はどこか寂しそうだった




「やっぱ、どこの家もいっしょだねーぇ」


「ちょっ、まこ!」


「あ、ごめんごめん」


なんて、空気の読めない女だ。



「まっ!仲良くやろー!」

と、まこ。


ったく。呑気な奴。


ま、そこがこの子のイイ所だったりするのかもだけど。


「いぇーい!組とか関係ないぜー!」


あ、やばい。

沙葉からもまこと同じ匂いがする。


「そーそー!」


と、気の合うことを、確認し合ってる二人を苦笑いで見ていると


沙葉が、急に静かになって


「そうだ。思い出した。」


あまり静かに、真剣に言うものだから少し身構えた


「奏真組のことだよ。」


身構えてよかったよ。


というか、忘れてたよね。


「龍田組は、自分の保身は自ら行うということになってるんだけど」


「それは、桜田組もだよ」



「そかそか。んで、危害を与えるようなら捕まえてよこせ。と、おじさんから言われてんだよねぇ……」


「おじさんとは?」



「あー。龍田組の組長さん」



ほぉ……、うちの親父よりしっかりしているものだ。


「それって、沙葉達にもできるの?大丈夫なの?」


「あー、蓮君強いから行けるよ!」



蓮君って……

あー!龍田組の跡取りの!


つか、強いんだ……


会ったことないけど怖いなぁ(((嘘



「まっ!ここは龍田組と桜田組手を結んでいきましょーやー!」


沙葉が声高らかにそう言った。
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