明日晴れたら、
「学祭楽しかったね!」
「うん! あー、たくさん歩きすぎて疲れた!」
そう言いながら足をさする薺ちゃん。
途中まで一緒に帰る道は、いつもは明るいけど今日は暗い。
さっき時計を見たら、もう夜8時を回っていた。
たしかに今日は、たくさん歩いたなあ。
そう思いながら、今日1日の出来事を思い出していたら。
「…あの、さ、美和。すごく無神経なこと聞くけどさ…」
薺ちゃんの申しわけなさそうな声が左から聞こえた。
「うん、なに?」
「……美和は、今も…南が好きなの?」
「っ、」
思いもしなかった言葉に息を呑んだ。