僕は君の名前を呼ぶ


【彩花 SIDE】


司書の先生に突然言われたあの一言で、わたしは頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。




“図書委員の仕事は今日まで”


この言葉を聞いて、わたしは『どうしよう』と思った。




金曜日だけ、あんなに嫌いだった帰り道が好きになれた。

アイツがいる家に帰るのだと思うだけで憂鬱になっていたけど、金曜日だけは『早く放課後になって欲しい』と心から思っていた。


金曜日をそっと色づけしてくれる“彼”のおかげで帰り道が好きになれたの。


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