僕は君の名前を呼ぶ
さっきの後悔が一瞬で吹き飛んでしまった。
「ぜ、ぜぜぜ、ぜひお願いします!」
嬉しさのあまり噛みまくった俺を見て、橘は、
「青木噛みすぎー」
とクスクス笑いながら言った。
夏が終わる前に、
橘との繋がりが欲しくて
誘った夏祭り。
これが終われば、
きっと結びつきが
消えてしまうだろう。
そんな、脆くて儚い繋がりに、
俺は賭けをしてみようと思う。
きっと見えない何かで結ばれているってことを、
いつか俺の隣で笑ってくれるってことを、
俺は信じたいんだ────