僕は君の名前を呼ぶ
「篠田隆太っス~。趣味はサッカーだけど帰宅部です、よろしく~」
「何その自己紹介~」と突っ込まれていたが、その適当な自己紹介が天真爛漫な隆太らしいな。
「橘 彩花です。よろしくお願いします」
各々が趣味や所属する部活を言っている中、彼女は俺のように簡潔な自己紹介をした。
__タチバナ アヤカ。
声から名前から何まで、彼女にぴったりだと思った。
可憐な声。
丁寧な所作。
彼女の何から何までが、俺の心を掴んだ。
「次は委員会だな」
と言って自己紹介もそこそこに担任が仕切り始めた。
みんながやりたがらない学級委員も順調に決まったものの、最後に残ったのは図書委員。