僕は君の名前を呼ぶ
袋から2つ花火を取り出し1つを渡すと、ライターで直に火をつけ橘に火を分ける。
パチパチと音を立て煌めくそれを見てなんだか泣きそうになった。
橘と出会ってからの俺は、涙もろくて困る。
些細なことで心を動かされてしまう。
…なんて、隆太に言ったら『乙女か!』って言われるな。
「見て見て!」
橘にかけられた声で我に返り顔をあげると、いつの間に立ち上がった橘はぼんやりした赤い光を放つ花火を持って子どものようにおおはしゃぎ。
そんな橘を見て俺は嬉しくなった。
「ほらっ!」