僕は君の名前を呼ぶ
「お前、案外積極的なんだな」
さっきの出来事を茶化してくる隆太。
「やめろよ、偶然なんだから」
「それにしても運が良かったな! これから週に1回は愛しの彼女と会話できることが保証されて」
「委員会で、だけどな」
「まあまあ、これから徐々に距離を縮めればいいじゃん」
「橘さん…笑わないんだよ」
「そうか? 普通にニコニコしてる子だと思うけど」
「笑うには笑うんだ。でも笑顔に影があるんだ…。」
隆太は珍しく静かに話を聞いている。