僕は君の名前を呼ぶ
2年越しに実った大切な恋なんだ。
終わりなんか、考えられない。終わりなんか、あるわけない。
彩花ちゃんが俺の心に恋の炎を灯したあの日から、消えることなく燃え続けるはずなんだ。
そっとやちょっとじゃ、消えないん恋なんだ。
「わたしのこと、離さないでね」
そう言って彩花ちゃんは俺の手の中にあったカメラを取った。
「ほら、海斗くんも!」
さっき俺がそうしたように今度は彩花ちゃんが桜の木の下を指差し、そこに立つように指示した。
「俺泣いたから顔ひどいから…」
「いいのいいの。記念でしょ?思い出作りでしょ?」
「あー、うん」
そう言われてしまうと、こう答えるしかできなかった。
俺の顔を撮り終えて満足そうな表情をした彩花ちゃんがこっちにやってきた。