僕は君の名前を呼ぶ
「ま、来年の今頃は毎日イチャイチャできるんだろ?『あと少しの辛抱だ』って彩花も言ってたし」
「そうだな…。って、まさかお前、彩花と連絡とってんのかよ!」
「おいおいおい~。元カノと連絡とって何が悪いんだよ~」
「悪くはないけどさ、元彼氏と俺の話するか? 普通」
俺とカナだって、喧嘩別れではないから連絡先は一応は知っているだけで、まず連絡なんかとらないし。
ちょっと異常というか…。
彩花と夏樹だからこそ成り立つものなのだろうか。
「俺と彩花、超仲いいかんな。もしかして海斗クン、俺に嫉妬しちゃった?」
「ウルセー。マジそれはないから」
本当にない。
夏樹はいい友達で、心から信頼しているから。
「頑張れよな」
「…ああ」
俺も夏樹もそのやり取りを最後に、意識を手放した。
久しぶりに何の不安もなく、ぐっすり眠れた気がした。
─────
──