僕は君の名前を呼ぶ
背の高さや視力は考慮せずにくじ引きで決めるのが担任流らしい。
くじ引きの結果、俺は窓側の一番後ろ──つまり6列目に座ることになった。
その前には隆太。
そして隣には…まさかの橘。
これって出来すぎじゃないか?
前も隣も。
「おいっ、お前、何かしただろっ?」
俺は前に背もたれにだらしなく寄りかかって座る隆太に小声で聞いた。
隣に座る橘に聞こえないように。
周りの友達と楽しそうにしてるから、会話を聞かれる心配はなさそうだけど。
「い~や~?」
ニヤニヤして分かりやすくしらばっくれる隆太。