僕は君の名前を呼ぶ
「篠田も、よろしく」
「よろしく~」
隆太はヘラッとした声を出しながら橘と握手した。
ついに、あの橘に触れてしまったのだと思うと、胸の高鳴りが止まりそうにない。
長距離を走ったあととはまた違うドキドキ感。
握られた右手をグーパーしながらさっきの握手を思い出す。
ドキドキが、止まらない。
黙れ、心臓。
それからさっき橘と会話していた、渡辺 都(ワタナベミヤコ)という子を橘から紹介された。
渡辺は橘の席の前に座っているから、隆太の隣にいるということになる。