僕は君の名前を呼ぶ


女の子らしい橘によく似合うかわいらしい傘の中。

俺と肩がぶつかって時々フラッとバランスを崩す橘を見て申し訳ないなと思いつつ、
そんな彼女を愛しく思ってしまう。


「うちまで来てもらえたら、男モノの傘貸すからね」


「わざわざありがとな、ほんとに助かる」


「ううん、気にしないで」


「優しいんだな、橘は」


「そんなことないって」


「いーや、優しい!」


「違うから!絶対違うっ!」


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