僕は君の名前を呼ぶ
「わたしの傘、使う?あ、でもね、一本しかないから一緒に入ってもらうことになるんだけど…」
そ、それって相合傘じゃないのか?
俺は嬉しいけど、橘は…。
「俺なんかが一緒に入って、いいのか?」
「え?なんで?」
橘が気づいていないなら…。
「いや、ごめん。ありがとな、助かる」
どうしよう、俺…。
今すぐにでもほっぺつねりたい。
「俺が持つよ。入れてもらうんだし」
橘がさそうとしていた傘を指さす。
「ありがとう」