[完]Dear…~愛のうた~
そして私達もどんどん偽りの自分になっていく……。

もしかしたら私達はもう死んでいるのかもしれない……。

感情なんて疲れてないのかも……

本当の自分はどこに行ってしまったんだろう……

ウキウキしていた私はどこに行ったのだろう……。

憧れの世界がこんなに汚れてるなんて思いもしなかった。

あいつがいない世界なんて……どんなに幸せなんだろう……。

私はあいつに付けられた肩のアザを見た。

「……こんな世界……なくなればいいのに……」

私はいつの間にかそんなことを言っていた。

「ただの抜け殻だよ……私達は……」

PEACEは……表面だけ輝いていて……中身は何もない存在なんだ……。

_____________

「帰ろっか……」
「うん……」

私達は一度事務所に帰ってきてその後すぐ家に帰ることにした。

「……」
「……」

二人とも無言……。

杏奈に話し掛けたら可哀想だし……

杏奈が話し掛けてくる様子もないし……

そんなことを思っていると……

「明日なんてこなきゃいいのにね……」

杏奈は死んだように笑って私を見た。

「……え?」

その顔はもうやつれているなんて物じゃない。

今にも死ぬんじゃないかってくらいの顔。

きっとそれは……私もなんだろう……。
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