starting over
仲がいいのか、悪いのか。

「なんだかな、お前ら二人は…なんともなぁ…」

千葉は人の懐に飛び込むことが苦手で、春日は自分の意志が強すぎて周りが見えてない。

「千佳の金沢先生への想いが強すぎて、入り込めないんだよ、未だに。」

そういうと、千葉はテーブルに頬杖をついた。

「何度か言ってるけど、春日の失恋は時間の問題だったんだから、踏み込めたはずだと思うけどな。」
「まぁ、そうなんだけど。」
「今だって、別に大丈夫じゃないのか?」
「卒業式の時、明日からは高校生じゃないのか…って、意味ありげに言ってた。」

千葉の気持ちはよく分かる。踏み込むことで、失うものの大きさに尻込みする気持ちも、手に取るように分かる。

ただ、その時間で失うものもあるんだけどな。軽くイライラするが。

「大学、学部は違うけど、同じだから、進路の話になったらどうするか、というところか。」

千葉は、うなづいて答えた。

同じ大学にいるなら、それなりすぐに顔を合わせる可能性は高い。二人ともおそらく、楽器を続ける環境を探すだろうから、同じサークルに入る可能性もある。

「進路決めるのに、春日のことがよぎらなくはなかっただろうしな。」
「そこが、千佳を悩ませないかって気になってる。」

重たいって、取られかねない、ってことだよな。まぁ、重たい、けどな…
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