ねぇ、先生。
ドアがキィと音を立てて開く。
開いてる間は息出来なかった。
資料ももうグシャグシャだ。
「…せんせ…?」
美術室に入ったよりもムワッとした空気が顔を撫でた。
あたしの小さい小さい声は誰にも届かなかったみたい。
返事は聞こえない。
それどころか、人の気配がしない。
「…え、いないの?」
中を見渡しても先生の姿はない。
物音一つしないからきっとここにはいないんだろう。
そう分かると一気に力が抜けて、手の力が緩んでしまった。
バサバサッと音がして手の中にあった資料が勢いよく美術準備室の床に散らばる。
「うわっ…」
何でホッチキスで留めてないの、なんて思ったけど落としてしまったものは仕方がない。
思ったよりも多かったプリントを一枚一枚集めていく。