壊れるくらい抱きしめて
またぎゅっと力強く松本さんの胸の中に閉じ込められた。トクントクンと聞こえる松本さんの心音。


心地いい。絶対に叶わない、実るはずのない片思いだと思ってた。こんな風にまた抱きしめてもらえるなんて思わなかった。

「・・・恵那ちゃん、もっと抱きしめたいな。うちに来ない?」


私は今、松本さんの家にいる。


さすがに思いを伝えあってすぐに家に来るなんて早すぎるし、誘われてのこのこついてきて本当に軽いと思われるかもしれない。


それでも今、松本さんと離れたくなかった。





「コーヒー持ってくるからそこで待ってて」



松本さんの家は2LDKの広めの部屋。リビングには大きな黒のソファが置いてあってTVがある。キッチンは使い勝手のいい対面式。

正直一人暮らしにしたらとても広くて彼女とでも同棲していたのかなとつい考えてしまった。



「はい、お待たせ。ってどうしたの?恵那ちゃん」



「いえ、あのとても広いお家だなと思って」



「ああ。ここ姉貴とシェアして住んでたんだけど姉貴が遠距離の彼氏追いかけて出て行ったから俺が一人で住んでるんだ」
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