個人的事情につき“休暇をいただきます”

「…俺は何度も誘ったはずなんだがな」

「わかりづらいんですよ…」





俺の腕の中からの上目遣い。

ぷぅっと小さく膨れっ面。

…どうしてこいつは俺を煽ってくれるんだ?





“最初くらい誘われたい”

彼女はそう言ったけど。

“最初くらいめちゃめちゃに甘やかしてやりたい”

そう思って柄にもなく計画を練ろうと。

我慢に我慢を重ねた俺の身にもなってみろ。

あげくに酔ったふりした彼女の計画にのっちまった。

これじゃすべてが彼女の思うつぼ、計画通りだ。





「…チッ」

「どうしました?私…何かしましたか?」

「…そうじゃない。自分の不甲斐なさにイラついただけだ」





俺の腰に触れる彼女の爪先が微かに動く。

そんな小さな刺激も、熱を放出したばかりの身体には起爆剤になりかねない。

…ったく。

とことん煽ってくれるな、こいつは。

だったら。

ご要望にお応えしようじゃないか。




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