ねぇ、どうしたいの?




何やってるんだろう、私。

告白の手助けだなんて……。

あとで宮塚くんに怒られそう……。


しかも飲み物買うとか言って財布忘れてきたし。



少しだけドアを開けて、バレないように様子を窺う。



女の子は顔を真っ赤にさせて、宮塚くんに近付いた。



対して宮塚くんは、窓の外を眺めている。



「あ、あの!私、ずっと……その、宮塚くんのこと、好…」
「うん、ありがとう。でも悪いけど、彼氏になる気はないよ。」



宮塚くんは一度だけ女子生徒に目を向け、微笑むとまた興味を無くしたように窓に目を向けた。



あ、何だろう…。

別に私が言われたわけじゃないんだけど。

ちょっと胸が痛くなる。


私は少し横にずれ、壁に背を預けた。



私も告白したら、あんな冷たい態度されるのかな……。



まぁ、告白する勇気なんて私にはないんだけどね。



ガラッと反対側のドアが開き、女子生徒が駆けていく。


と、同時に隣のドアが開いた。


「飲み物、買いに行ったんじゃないの?」



宮塚くんが冷ややかな視線で私を見下ろす。


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