人魚
     ◆◆◆



今日もいつも通り学校が終わる。

かばんを持って帰ろうとしたら、
ユカが話しかけてきた。



「ねぇ、どっか寄って帰んない?」



「うーん、どこ行くの?」


「適当。ぶらっと街にでて、カラオケでも行く?」






いつもあたしたちはこんな感じだった。


退屈な毎日を
なんとか乗り切る。




「今日はいいや、ごめん」


今日はちょっと行きたいところがあった。
ま、断るのはちょっと気が引けるけど.........





「えーーー付き合いわるいなー」


「ごめんごめん。マユミでも誘いなよ。ほら、暇そうな顔してんじゃん」




あたしはななめ後ろの席のマユミを指差す。



「ウケんだけど。
ほんと毒舌だよねー、青は」



きゃっきゃっと笑うユカ。

別に毒舌なつもりはないんだけどな。
なぜか昔から毒舌とか、
冷たいとか言われるんだよね。





ユカはマユミを誘って教室から出て行った。


あたしはひとつ、

息を吐く。           





べつに嫌いな訳じゃない。

かといって、

かけがえのない物でもない。


     
あたしにとってのトモダチなんてそんなもんだ。





だからかな?

みんなから冷たいって言われるのは.........




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