大好きな君の。
いつもの俺ならたぶん、殴っていただろう。
だけど、俺はそれをせず優哉の胸ぐらを掴む手を離した。
「お前が選んだことだからな」
それだけ言い残し、病室からとびだす。
携帯で朋美に電話をかけた。
『憐ちゃん?』
「朋美?大丈夫か?」
『なに、どうして……』
「朋美が、泣いてる気がして」
すると、朋美は少しだまって
『憐ちゃんには何でもお見通しだなぁ』
「いまどこ?」
『昨日の公園』
「すぐいく」
そう言って電話を切り、俺は走りだした。