茉莉花の少女
「でも、先輩のお兄さんから」

「大丈夫。もう許可は貰っているから」

 兄の許可だろうか。

 家に住んでいる彼女が大丈夫というので大丈夫なことは大丈夫なのだろう。

「いいですよ。少しなら」

 あの重苦しい家の中にいるくらいなら彼女と一緒のほうが随分マシだと言い聞かせていた。
< 125 / 362 >

この作品をシェア

pagetop